防水工事
マンション・アパートの防水工事:集合住宅の長寿命化と資産価値を守る重要施工
集合住宅における防水工事の重要性

マンションやアパートなどの集合住宅において、防水工事は建物全体の寿命と居住性に直結する極めて重要なメンテナンスです。複数の世帯が居住する集合住宅では、一箇所の防水不良が多くの住戸に影響を及ぼす可能性があり、計画的かつ適切な防水対策が不可欠です。経年劣化による防水層の機能低下は、建物の構造体にまで悪影響を及ぼし、修繕費用の増大や資産価値の低下を招きます。
集合住宅の防水が果たす役割

- 建物構造の保全
躯体コンクリートの中性化や鉄筋腐食を防止します。 - 居住環境の快適性確保
雨漏りやカビの発生を防ぎ、健康的な住環境を維持します。 - 共用部分の美観維持
エントランスや廊下などの共用空間を水害から守ります。 - 設備機器の保護
電気設備や配管などの寿命を延ばし、突発的な故障を予防できます。 - 資産価値の維持
適切な防水対策で建物全体の価値を保全できます。
集合住宅における主な防水対象箇所
- 屋上・陸屋根
最も雨水の影響を受けやすく、広範囲に渡る面積を持つため、集合住宅の防水工事において最も重要な箇所です。 - バルコニー・ベランダ
各住戸に付随する屋外空間で、使用頻度が高く、劣化が進みやすい箇所です。下の階への雨漏りの原因となりやすい部分です。

- 外壁
建物の外装を構成し、雨水の侵入を防ぐ重要な役割を持ちます。シーリング(目地材)の劣化により防水性が低下します。 - 共用廊下・階段
屋外に面した開放廊下や階段は、雨水にさらされやすく、防水対策が必要です。 - 地下ピット・駐車場
地下水の浸入を防ぐために、外部からの水圧に耐える防水性能が要求されます。
集合住宅で採用される主な防水工法
- ウレタン塗膜防水
特徴:
・液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成
・複雑な形状にも対応可能で、継ぎ目がない
・軽量で建物への負担が少ない
適用箇所:屋上、バルコニー、開放廊下
耐用年数:約10〜15年
メリット:既存防水層の上から施工可能(重ね塗り)、軽量 - シート防水(塩ビシート・ゴムシートなど)
特徴:
・工場生産された均一な厚みのシートを現場で貼り付ける
・施工が比較的早く、品質のバラつきが少ない
・高い耐候性と耐久性を持つ
適用箇所:屋上、バルコニー、共用部分
耐用年数:約15〜20年
メリット:均一な厚みの確保、施工期間の短縮 - アスファルト防水
特徴:
・溶かしたアスファルトと防水シートを複数層重ねる
・高い防水性能と耐久性
・伝統的な工法で実績が豊富
適用箇所:屋上、地下ピット
耐用年数:約15〜20年
メリット:信頼性の高い工法、耐久性に優れる - FRP防水
特徴:
・ガラス繊維と樹脂を組み合わせた強化プラスチックによる防水
・硬化後は高い強度を持つ
・一体成形による継ぎ目のない防水層
適用箇所:バルコニー、開放廊下、階段
耐用年数:約10〜15年
メリット:高い強度と耐久性、薄層での施工が可能 - 外壁シーリング
特徴:
・建物の目地部分にシーリング材を充填
・建物の動きに追従して水の侵入を防ぐ
・外壁塗装工事と同時に行われることが多い
適用箇所:外壁目地、サッシ周り、建具周り
耐用年数:約7〜10年
メリット:建物の動きに追従し、雨水の侵入を防止
集合住宅の防水工事が必要なタイミング

定期的な点検で確認すべきサイン
- 防水層の浮き・剥がれ
防水層が基盤から剥離している状態 - 防水層のひび割れ
経年劣化や紫外線による亀裂 - シーリングの硬化・剥離
弾力性を失い、隙間ができている状態 - 排水口周りの劣化
水たまりや防水層の膨れが見られる部分 - 雨漏りの発生
天井のシミや壁の変色 - 結露やカビの発生:
室内の湿度上昇や不快臭
目安となる防水工事の周期
- ウレタン防水:10〜15年
- シート防水:15〜20年
- アスファルト防水:15〜20年
- FRP防水:10〜15年
- 外壁シーリング:7〜10年
※実際の周期は立地条件や気象状況、使用状況により変動します。

集合住宅の防水工事の流れ
- 事前調査と計画立案
- 現状調査:専門業者による現地調査と劣化状況の把握
- 工法選定:建物の状態に適した防水工法の提案
- 管理組合での検討:工事計画と予算の検討、合意形成
- 工事準備
- 居住者への通知:工事内容と工程の説明、注意事項の伝達
- 足場設置:必要に応じて安全な作業環境を確保
- 既存防水層の状態確認:撤去か重ね塗りかの最終判断
- 防水工事の実施
- 下地処理:既存防水層の撤去または下地調整
- プライマー塗布:防水材の密着性を高める下地処理
- 防水層施工:選定した工法による防水層の形成
- 立ち上がり部・ドレン周りの処理:漏水しやすい部分の丁寧な施工
- 保護層施工:防水層の保護と耐久性向上のための仕上げ
- 検査と引き渡し
- 水張り試験:防水層の品質確認(必要に応じて)
- 目視検査:仕上がり状態の確認
- 完成報告:管理組合への工事完了報告
- 保証書類の提出:防水保証に関する書類の引き渡し
成功する防水工事のポイント

- 適切な工法選択
- 建物の構造や立地条件に適した工法を選ぶ
- 予算と耐用年数のバランスを考慮する
- 将来のメンテナンス性も考慮した工法選択
- 信頼できる業者選定
- 集合住宅の防水工事実績が豊富
- 防水施工技能士などの有資格者が在籍
- アフターメンテナンス体制が整っている
- 十分な保証期間を提供している
- 総合的な防水対策
- 排水計画の見直し:ドレンの増設や勾配の改善
- 関連工事との連携:外壁塗装や屋上防水の同時施工
- 環境に配慮した工法選択:遮熱性や断熱性を持つ防水材の採用
防水工事によるマンション・アパートのメリット

建物にとってのメリット
- 建物の耐久性向上
躯体の劣化を防止し、建物の寿命を延長できます。 - 修繕周期の延長
計画的な防水工事により、大規模修繕の間隔を延長できます。 - エネルギー効率の改善
遮熱・断熱効果により、省エネ性能が向上します。 - 資産価値の維持
適切な修繕履歴により、資産価値を保全できます。
入居者にとってのメリット
- 居住環境の質向上
雨漏りやカビの防止により、快適な住空間を維持できます。 - 健康リスクの低減
湿気やカビによる健康被害を予防できます。 - 修繕積立金の適正化
計画的な修繕により、突発的な特別修繕費を回避できます。 - 光熱費の削減
断熱性能向上により、冷暖房効率が改善されます。

長期修繕計画における防水工事の位置づけ
集合住宅の長期修繕計画において、防水工事は最も重要な項目の一つです。以下のポイントを考慮した計画策定が重要です。

- 適切な修繕周期の設定
防水工法ごとの耐用年数を考慮することが重要です。 - 修繕積立金の計画的な積み立て
大規模修繕に備えた資金計画は、長期的な視点での準備が重要です。 - 段階的な修繕アプローチ
緊急度の高い箇所から順次対応することが重要です。 - 総合的な修繕計画との連携
外壁塗装など関連工事との同時施工により、コスト削減が可能です。
まとめ:計画的な防水工事で集合住宅の価値を守る
マンションやアパートなどの集合住宅において、防水工事は建物全体の長寿命化と資産価値の維持に不可欠なメンテナンスです。適切なタイミングで質の高い防水工事を実施することで、雨漏りやカビの発生を防ぎ、快適な居住環境を維持することができます。
管理組合の皆様は、専門家の助言を得ながら、建物の状態と予算に合わせた防水計画を策定し、計画的な修繕を行うことをお勧めします。信頼できる業者選びと適切な工法選択が、成功する防水工事の鍵となります。
お住まいのマンション・アパートの防水工事に関するご相談は、集合住宅の防水工事に精通した専門業者にお気軽にお問い合わせください。建物の状態に合わせた最適な防水提案をいたします。
お問い合わせ情報
マンションアパート大規模修繕ダイレクト 千葉中央店
電話番号 0120-35-4152
問い合わせ先 info@misuzu-r.co.jp